こんにちは。不妊治療がんばり中の、30代後半の 新米主婦のブログです。
『不育症』の検査を受けることになったので、調べています。
なにが正しいのか、本当に未知の分野ですね…。。(ー”_ー)
目次
『不育症』とは?
『不育症』とは
流産や死産を 2回以上 繰り返すこと。
『不育症』とは、着床して 妊娠はするものの、流産や死産を 2回以上 繰り返すこと。しっかりと妊娠できて、胎児も育っている人ですよね。妊娠して、つわりなんかも経験した後に、流れてしまうこと。それが2回以上あるなんて、つらいなぁ…。(;_;)
ちなみに日本産科婦人科学会の定義では、「化学流産」は流産回数に数えないことになっていました。でも、日本の実際の現場では「化学流産」を繰り返す人も『不育症』に数えることが多く、『不育症』の検査の対象になることが多いようですね!(助成金の条件は異なります。)『化学流産』については⇒コチラ
似たような言葉で、 『習慣流産』や『反復流産』という言葉もあってややこしいですが、『不育症』は それらの「総称」のようなイメージのようです。
・反復流産:2回の流産
・習慣流産:連続3回以上の流産
『不育症』と『着床不全』はセット?
*ともに未解明なことが多い
*原因が重なってることが多い
⇒まとめて検討されることが多い。
『不育症』の原因 (リスク因子)。
あまりに未解明でサイトによって意見が様々なため、今回は、厚生労働省の資料(https://www.mhlw.go.jp/content/000796322.pdf)をもとに、原因を書き出します。資料には、「原因」ではなく、「リスク因子」として記載されています。
リスク因子
〇子宮奇形
〇血栓性素因
・抗リン脂質抗体
・その他
〇夫婦の染色体異常
〇胎児の染色体異常
〇自己免疫異常
〇内分泌異常
厚生労働省の資料には、それぞれの原因に合わせて、推奨検査・選択的検査・研究的検査・非推奨検査と段階を分けて重要度を示してくれていました。
研究段階ながら、どれくらい信用度が高いのか?の基準になりますね。(まぁ、厚生労働省より、一般の医師や研究者の方が情報が新しく正確な場合もあるかと思いますが…。。)
①推奨検査 …臨床的エビデンスが十分にある。
②選択的検査…エビデンスが不十分。条件によっては推奨。
③研究的検査…エビデンスがさらに不十分。研究段階。
④非推奨検査…不育症の検査としては推奨されない。
とりあえず、ややこしくなりすぎないように、ここでは重要度の高い①推奨検査と②選択的検査を重点に、それぞれの概要だけを お勉強します!
〇子宮の奇形
子宮の形が異常。
中隔子宮や双角子宮など、先天的な子宮の奇形が不妊・不育症に大きく影響を及ぼすとされています。
<検査>
①推奨検査;超音波検査、子宮卵管造影検査
②選択的検査;MRI、子宮鏡検査
<治療>
必要に応じて、外科手術を行います。
〇血栓性素因
血栓ができやすく、胎盤が詰まってしまう。
血液が固まりやすい体質の人は、胎盤の中に血栓ができてしまうことがあり、流産を引き起こしてしまうそうです。
その代表的な要因が、抗リン脂質抗体症候群。抗体が自分の体を攻撃する(免疫異常)ことで、血栓ができてしまうのだそうです。抗リン脂質抗体症候群は、不育症の中で、唯一 治療法が確立された原因だそうです。これが原因とわかれば、治療ができるので、妊娠の確率はグッと上がるかもしれませんね。
抗リン脂質抗体症候群以外にも 血液が固まる要因があり、プロテインS、プロテインC、第Ⅻ因子が欠乏することによる血栓症の人もいます。こちらと不育症の関係は、まだまだ研究段階のようで、②選択的検査となっています。でも検査をする病院は 多いですね。
<検査>
①推奨検査;抗リン脂質抗体の検査(カルジオリビンという名がつく項目等)
②選択的検査;抗リン脂質抗体の検査(ォスファチジルエタノールアミンという名がつく項目等)、プロテインS、プロテインC、第Ⅻ因、
(すべて血液検査です。)
<治療>
血栓を作らせないようにするために、血液をサラサラにするお薬(アスピリン、ヘパリン)を服用します。
〇夫婦の染色体異常
親になる夫婦の染色体異常。
夫婦どちらかに、染色体の構造に異常がある場合があります。その場合、精子や卵子の染色体も異常となることがあり(正常のこともあります)、受精卵も染色体異常となり、流産してしまいます。
<検査>
①推奨検査;染色体 G 分染法(夫婦それぞれの血液検査。※着床前診断とは異なる。)
遺伝の場合が多く、親族にも影響が及ぶため、検査実施については慎重に進めるよう注意が促されています。
<治療>
治療法は特にありません。着床前診断の検討などに移ります。
〇胎児の染色体異常
胎児の染色体に異常がある。
女性の加齢に伴って、染色体が不均等に分離して、染色体数の数が増減してしまう頻度が高くなるそうです。そのため、流産した胎児に染色体異常がみつかります。
<検査>
①推奨検査;流死産胎児絨毛染色体検査 G 分染法(流産内容物である胎児(胎芽)の染色体を調べる)
<治療>
治療法は特にありません。
〇自己免疫異常
母体の免疫異常で受精卵を攻撃している。
これは『着床不全』の要因として いつも上がっている項目です。『不育症』のリスク因子としても挙げられていました。
人間の身体は、臓器移植などをすると、免疫による拒絶反応を起こします。通常であれば、『免疫寛容』と言って、妊娠の時には この拒絶反応は起こりません。が、なぜか寛容されず、受精卵(胚)を異物と認識して拒絶反応を起こしちゃう人がいるのだそうです。母体が受精卵を攻撃して、流れてしまうという なんだか悲しいお話です。
<検査>
①推奨検査;抗核抗体検査(膠原病の確認)、抗TPO抗体検査(甲状腺抗体の確認。甲状腺ホルモンとは別。)
③研究的検査;末梢血や子宮内膜のNK細胞・T細胞の検査
④非推奨検査;Th1/Th2検査
ここでは①推奨検査②選択的検査のみを紹介するつもりでしたが、末梢血や子宮内膜のNK細胞・T細胞の検査、Th1/Th2検査は、病院のホームページで紹介されていることが多いので確認しました。厚生労働省の見解では、選択的検査にさえ入らない 研究段階なんですね。驚きです。
<治療>
膠原病や甲状腺抗体の異常が判明した場合は、それぞれの治療を行います。
Th1/Th2検査で異常がわかった場合は、タクロリムスというお薬で、免疫機能をコントロールします。また、ビタミンDの不足がこの原因で免疫異常が起こるとの見解もあり、血中濃度が低いようならサプリメントなどで補給します。
〇内分泌異常
母体の甲状腺に異常がある。
甲状腺の異常は、古くから流産や妊娠合併症との関連が示唆されているそうです。甲状腺の機能異常が判明すると、上記の甲状腺抗体の異常も考えられるため、並行して検討する必要があります。
ただ多くの人は、病院に通い始めた最初の血液検査で 確認しているのではないでしょうか?ホルモンと一緒に、検査してくださっている可能性が高いです。
<検査>
①推奨検査;TSH、fT4(血液検査)
<治療>
甲状腺の機能を、お薬でコントロールします。必要があれば、抗TPO抗体検査を行います。
ザっとまとめるつもりが、長くなってしまいました…。
参考に、検査の一覧表です。
『不育症』の多くは これ!
*一番の原因は『胎児の染色体異常』
*抗リン脂質抗体の原因は10%ほど
*治療のしようがない人が、4分の3以上
日本生殖医学会では、それぞれのリスク因子の割合を示してくれています。細かい説明は省きますが、なんと!一番の原因は『胎児の染色体異常』なんですね。
唯一治療法が確立されている抗リン脂質抗体でさえ、不育症全体の10%ほど。治療ができない染色体の異常や、治療のしようがない原因不明が、4分の3以上を占めています。
どうしようもない人が、4分の3以上。。( ゚Д゚)
『不妊治療』の沼…。
ここまで調べるのに、とんでもなく時間が かかりました。サイトによって記載がバラバラなので、なるべく厚生労働省、日本生殖医学会、日本産婦人科学会などの資料を読みました。印刷までして 読みあさりました。疲れました…。。(知能レベル高くないんです。(/ω\))
結果、
こんな未知の検査を受けているのか、と驚きました。
そしてさらに、
こんな治療できない結果が多い検査を受けているのか、と驚きました。
びっくりです。
『不育症』は、不妊治療の中の、一番の沼なんじゃないでしょうか…
先日、3回着床しなかったことで、私が希望する以外に、先生の方から検査を出してきました。
恐らく、この中の「血液凝固」に関わるところです。
全体の10%ほど、か…。。
辞めることはしませんが、ちゃんと知って、望みたいな。と思います。
考えさせられることが多い、今日この頃です。。
参考にさせていただいたサイト
https://www.mhlw.go.jp/content/000796322.pdf
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa19.html
https://www.sugiyama.or.jp/comic/page4
https://www.tsudanuma-ivf-clinic.jp/blog/716
(※私に医学的知識はありません。だいたいの概要をつかむために調べてまとめているので、若干のニュアンスの違いはご了承ください。ただ、大きな勘違いなどありましたら、ぜひご連絡ください!)